「2025年版おすすめツール」「2025年最新トレンド」など、ブログ記事のタイトルに年号を入れることはよくあります。
しかし、年が変わると「この情報、古いのでは?」と読者に思われてしまう可能性があります。
そんなとき、年号を削除すべきか、新しい年に変更すべきか、それとも放置すべきか困ります。
多くのブロガーが直面するこの悩みについて、正しい判断基準と具体的な対処法を解説します。
年号を扱う3つの選択肢
ブログ記事の年号が古くなった時の選択肢にはは、主に3つの対応方法があります。
順番に説明します。
1. 年号を削除する(最も推奨)
タイトルから年号を完全に削除し、時間に左右されないエバーグリーンコンテンツにする方法です。
エバーグリーンコンテンツとは、賞味期限のない普遍的なテーマを扱うコンテンツを言います。例えば、常緑樹は季節が変わっても緑を保つように、時代のトレンドに影響を受けず、ユーザーのニーズにこたえ続ける特徴のことです。
適している記事:
- 普遍的なノウハウやテクニック
- 基本的な概念や理論の解説
- 汎用性の高いツールやサービスの紹介
具体例:
- 「2025年版SEO対策10選」→「SEO対策10選」
- 「2025年最新ブログ運営術」→「効果的なブログ運営術」
- 「2025年おすすめWordPressテーマ」→「おすすめWordPressテーマ」
メリット:
- 毎年の更新作業が不要
- 記事が古く見えない
- 長期的にアクセスを集められる
エバーグリーンコンテンツなら、年号が無くても評価は続きます。
2. 公開年をそのまま維持する
記事を公開した年号をそのまま残し、歴史的な記録として保持する方法です。古くなったからと年号を削除するのは検討が必要です。
例えば次の記事にように、年号にこそ価値がある場合があります。
適している記事:
- その年特有のトレンドや出来事を扱う内容
- 年次レポートやまとめ記事
- 時代背景が重要な分析記事
具体例:
- 「2025年のリモートワーク実態調査」
- 「2025年SNSトレンド分析」
- 「2025年の働き方改革事例」
メリット:
- 記事の文脈が明確になる
- 時系列での比較が可能
- 情報の信頼性が保たれる
注意点: 記事内に「この情報は2025年時点のものです」といった注記を追加すると、読者の混乱を防げます。
このように、年号が古くても価値がある場合は、そのままにしておきます。
3. 内容を更新して年号も変更する
記事の内容を実際に更新し、年号も新しくする方法です。記事を最新の情報にリライトする場合は、最新の年号に変更します。例えば、次の様な場合です。
適している記事:
- 統計データや数値を含む記事
- 最新情報が重要なツール比較記事
- 法律や制度の変更を扱う記事
具体例:
- 年間統計レポート
- 価格比較記事
- 最新バージョンのソフトウェアレビュー
更新時にすべきこと:
- データや統計を最新のものに差し替える
- 廃止されたサービスや情報を削除
- 新しいトレンドや事例を追加
- スクリーンショットの更新
- 更新日を明記する
最新の情報を求めるユーザーには、最新の年号の記事を提供することがおすすめです。
絶対にやってはいけないこととは?
内容を変更せずに、年号だけを最新に更新するのは、絶対に避けましょう。その理由を説明します。
❌ 内容を更新せずに年号だけ変更する
これは最も避けるべき行為です。
なぜダメなのか:
- 読者を欺く行為になる – 実際には2025年の情報なのに2026年版と偽ることになる
- 信頼性を損なう – 古い情報が混在していると読者が気づいた時、ブログ全体の信頼を失う
- SEO的にマイナス – Googleは実質的な更新がない「見せかけの更新」を評価しない可能性がある
- 倫理的に問題 – コンテンツマーケティングの基本原則に反する
年号を変更するなら、必ず内容も実質的に更新しましょう。これは当然のことで、内容が古いのに年号だけ新しいと読者に誤解を与えたり、影響を与えるリスクがあるからです。
SEOへの影響を考える
年号の扱いは、検索エンジン最適化にも影響します。エバーグリーンコンテンツと年号に依存するコンテンツがどのようにSEOに影響するか説明します。
エバーグリーンコンテンツのSEO優位性
年号を削除してエバーグリーンコンテンツにすると、以下のメリットがあります。
- 長期的な検索流入 – 「2025年」という検索キーワードに依存しないため、何年経っても検索される
- リンクの蓄積 – 時間をかけて被リンクが増え、ドメインオーソリティが向上
- 更新の手間削減 – 毎年タイトルを変える必要がない
年号を含めるべきケース
一方で、以下のような場合は年号を含めた方がSEO的に有利です。
- トレンド検索 – 「2026年 トレンド」のように、年号付きで検索する人が多いキーワード
- ニュース性 – 最新情報を求める検索意図が強い分野
- 競合との差別化 – 他のサイトより新しい情報であることをアピールしたい場合
実践的な判断フローチャート
以下の質問に答えて、最適な対応を見つけましょう。
- 記事の内容は年によって変わる情報ですか?
- はい → 質問2へ
- いいえ → 年号を削除する
- 毎年更新する予定がありますか?
- はい → 内容を更新して年号も変更する
- いいえ → 質問3へ
- その年特有の文脈が重要ですか?
- はい → 公開年を維持する(注記を追加)
- いいえ → 年号を削除する
既存記事の見直し方
すでに公開済みの記事をどう扱うか、具体的な手順を紹介します。
ステップ1: 記事の棚卸し
Google Analyticsなどで、年号を含むタイトルの記事をリストアップします。
ステップ2: 優先順位をつける
- アクセス数が多い記事
- 検索順位が高い記事
- ブランドイメージに影響する記事
これらを優先的に見直しましょう。
ステップ3: 一括で対応する
年末年始や年度初めなど、まとめて対応する時期を決めると効率的です。
ステップ4: リダイレクト設定
URLに年号を含めている場合は、301リダイレクトの設定も忘れずに。
読者の信頼を守るために
最も重要なのは、読者の信頼を裏切らないことです。つまり、信頼性があるとブログの価値が高まり、その結果、リピーターにつながります。結果は後からついてきます。
透明性を保つ
- 記事の公開日と更新日を明記する
- 大幅な更新をした場合は、更新内容を記載する
- 古い情報であることを隠さない
価値を提供し続ける
- 本当に役立つ情報かどうかを常に自問する
- 読者のフィードバックに耳を傾ける
- 定期的なコンテンツ監査を実施する
まとめ
ブログ記事タイトルの年号をどう扱うかは、記事の性質と運営方針によって変わります。
基本原則:
- 普遍的な内容なら年号を削除
- その年特有なら公開年を維持
- 更新するなら内容も実質的に更新
- 内容を変えずに年号だけ変更するのは絶対にNG
最も重要なのは、読者に誠実であること。見せかけの新しさではなく、本当に価値ある情報を提供し続けることが、長期的なブログ成功の鍵となります。
年号の扱いに迷ったら、「この記事は5年後も読者の役に立つか?」と自問してみてください。その答えが、最適な選択を導いてくれるはずです。
よくある質問(FAQ)
Q1: URLに年号を含めている場合、削除すべきですか?
A: URLはそのまま維持することを推奨します。URLを変更すると、既存のリンクが切れたり、SEO評価がリセットされたりするリスクがあります。どうしても変更したい場合は、必ず301リダイレクトを設定してください。タイトルだけ変更し、URLは変えないのが最も安全な方法です。
Q2: 「最新版」という表現は年号の代わりになりますか?
A: 「最新版」も時間が経つと古くなる表現なので、根本的な解決にはなりません。本当に定期的に更新できるなら使用しても良いですが、更新しないなら避けましょう。「決定版」「完全ガイド」「徹底解説」など、時間に依存しない表現の方が長期的には有効です。
Q3: 競合サイトがすべて年号を入れている場合、自分も入れるべきですか?
A: 必ずしもそうではありません。競合が年号を入れているのは、その分野で「最新性」が重視されているからかもしれません。しかし、あなたが本当に価値ある普遍的なコンテンツを作れるなら、年号なしでも十分に上位表示できます。むしろ、毎年更新しない競合の記事が古くなる中、あなたのエバーグリーンコンテンツが長期的に評価される可能性もあります。
Q4: 年号を削除したら検索順位が下がりませんか?
A: 一時的に順位が変動する可能性はありますが、長期的には問題ありません。Googleはタイトルだけでなく、コンテンツ全体の質を評価します。むしろ、古い年号が残っていることでクリック率が下がる方が問題です。年号を削除してエバーグリーンコンテンツにすることで、長期的な検索流入が安定する傾向があります。
Q5: 一度削除した年号を、後から追加し直しても大丈夫ですか?
A: 内容を大幅に更新した場合は問題ありません。例えば、2025年に年号なしで公開した記事を、2026年に大幅更新して「2026年版」として再公開するのは正当な行為です。重要なのは、実質的な価値の追加があるかどうか。見せかけだけの変更は避け、本当に読者にとって意味のある更新をした時だけ、年号を追加するようにしましょう。