「新しいWiFiルーター買ったから、今まで使っていたのをあげるよ」と友人からもらったどうする?
そのWiFiルーターは使っても、安全性に問題はないのでしょうか?
そこで今回はもらったWiFiルーターの安全性と注意点、さらに使う場合の重要なポイントを説明します。
もらったWi-Fiルーターは使っても大丈夫?

結論から先にお伝えすると「もらったWiFiルーターは要注意」です。
理由は、インターネットに接続して使えたとしてもセキュリティ面で危険性リスクがあるから。
もう使えないWiFiルーターを友人や知り合いは譲ることはしないでしょう。
まだ使えるから譲ったとおもわれます。
使えるWiFiルーターだからこそ危険性があるとも言えます。
ではセキュリティについてどんな危険性があるのでしょうか?
実は次の2つ注意点があります。
もらったWi-Fiルーターの注意点
もらったWi-Fiルーターの注意点は以下の2つあります。
- 十分なセキュリティ機能はあるか?
- 設定が以前のままでは?
一つずつ説明します。
(1)十分なセキュリティ機能はあるか?
もらったWiFiルーターは通常は最新とは言えない場合が少なくありません。
つまりセキュリティ対策が昔のままで、最新のサイバー攻撃に対応していない場合です。
特に問題となるのは暗号化方式。
サイバー攻撃で自宅のネットワークに侵入されたり、通信内容を傍受されたりすることをブロックするための暗号化機能です。
暗号化方式には、
- WEP:1999年発表
- WPA:2002年発表
- WPA2:2010年発表
- WPA3:2018年発表(2025年7月時点で最強)
があります。
2025年7月時点で、最新は2018年に登場した「WPA3」です。
まだ「WAP2」は現役で使えると思います。
なので最新のWPA3暗号化方式を購入した方は、1世代前のWPS2を譲ることもありえます。
しかしWPA2は、2010年の発表から相当経過しているためギリギリ。
やはり昨今のサイバー攻撃の状況からすれば、おすすめは最新のWPA3です。
理由は、WPA3がより効率的なセキュリティプロトコルを使用していることです。
また、WPA3 は WPA2よりも多くのユーザーのサポートが可能で高いパフォーマンスを維持できる機能が含まれています。
警視庁から注意喚起
警視庁では、2023年4月5日に家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起をしています。
サイバー攻撃事案の捜査の過程で、家庭用ルーター(以下「ルーター」といいます。)が、サイバー攻撃に悪用され、従来の対策のみでは対応できないことが判明しました。警察では、複数の関係メーカーと協力し、官民一体となって注意喚起いたします。
引用元:警視庁:家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起について
総務省のアドバイス
総務省では、2025年7月時点で次の様に無線ルーターについて注意しています。
スマートフォン等の普及が進んだこともあり、無線LANは自宅や職場だけではなく、多くの施設等で利用されています。一方で、無線LANの利用に当たっては、必要なセキュリティ対策を講じなければ、通信内容が盗み見られるなどの被害が発生する場合があります。本ページを参考にし、セキュリティ対策等に関する理解を深め、安全に無線LANを利用しましょう。
引用元:総務省 無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について
総務省 無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)についての中で、自宅Wi-Fi利用者向けに簡易マニュアルを公開していますので、是非チェックしてください。(令和7年2月版)PDF版
「自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル」で紹介している、セキュリティ対策の5つのポイントを紹介します。
セキュリティ対策の5つのポイント
ポイント1 セキュリティ方式 は「WPA2またはWPA3」を選択しよう
ポイント2 パスワードは第三者に推測されにくいものにしよう
ポイント3 サポート期限内のWi-Fiルーターを利用しよう
ポイント4 ファームウェアを最新の状態にしよう
ポイント5 Wi-Fiルーターの設定を定期的に確認しよう
総務省: 無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について
(2)設定が以前のままでは?
もらったWiFiルーターの危険性2つ目は設定の問題。
前の人が使っていた設定がそのままの状態で使ってしまうことです。
以前の設定のままだと、パスワードが知られていたり、設定に問題があったりすることも否定できません。
そのままで使っている場合は以下の対処をおすすめします。
Wap3のセキュリティ
WPA3は2018年6月にWi-Fiアライアンスが発表した無線LANのセキュリティを強固にした新しいプロトコルです。ここで、 WPA3の特徴やメリット、注意点について分かりやすく説明します。
SAEハンドシェイクによる防護機能を搭載し、WPA2にあったKRACKsという深刻な脆弱性を無効化します。これにより、仮にパスワードが漏えいしても通信内容を暗号化し解読不可能にできます。
辞書攻撃や総当たり攻撃からの防護機能として、誤ったパスワードによるログイン試行が一定回数続くとログインをブロックする機能を搭載しています。
企業向けのWPA3-Enterpriseでは192ビット暗号化システムのCNSAが実装され、より強固なセキュリティを実現しています。
QRコードをスキャンするだけで様々なIoT機器をWi-Fiへと接続できるEasy Connect機能も搭載されており、IoT機器の接続が簡単になります。
ただし、2019年4月に「Dragonblood」と呼ばれる脆弱性が発見されましたが、速やかに修正パッチが配布されました。
WPA3対応機器の導入により、従来より安全なWi-Fi環境を構築できます。
もらったWi-Fiルーターの対処方法
もらったWi-Fiルーターはそのまま使えることもあります。
しかし、前の人が使っていたままで使うの注意が必要です。
対処方法は、
- 工場出荷時の状態に初期化
- パスワードを再設定
の2つを実行してから使いましょう。
暗号化方式がWap3より古い場合は、安全面から使わないことをおすすめします。
またほかの人にWiFiルーターを譲るときには、事前に初期化し、パスワードを再設定するようにお伝えしましょう。
安全確認のため暗号化方式についてもいつの時代のものかお伝えしましょう。
もらったWi-Fiルーター注意点のまとめ
善意で譲ってくれたWiFiルーターでも、セキュリティ面から使うときはチェックが必要です。
WiFiルーターの初期化、パスワードの再設定などをマニュアルをもとにしっかりと行いましょう。
マニュアルがない場合はネットで検索すると入手できる場合がほとんどです。
また、ほかの方に譲るときも初期化やパスワードの再設定などをお伝えすることも重要です。