Google Search Console(GSC)を確認すると、2025年9月頃から「表示回数(インプレッション)が大きく下がった」と感じる方が増えています。
一方で、クリック数は大きく変化せず、平均CTRや平均掲載順位は上がっているケースもあります。
Google公式サイトでは、9月のアップデート情報はみあたりませんが、なにが起きたのでしょうか?
結論から言うと、2025年9月のGoogleアルゴリズム更新がありました。「新しい検索体験を提供する機能の導入」の更新です。その結果、GSCで表示回数が減少しても、クリック数やCTR、掲載順位は必ずしも下がらない現象が発生しました。
原因は表示仕様の変更やAIによる検索要約などで、コンテンツの品質やE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)がさらに重視されたことです。
今回は、この現象の背景と正しい理解、今後の対応策についてわかりやすく解説します。
2025年9月Googleの更新概要

コアアルゴリズム更新「Perspective」について
SEO業界では、今回のコアアルゴリズム更新を「Perspective」と呼ぶことがあります。ただし、この名称はGoogle公式が発表したものではなく、専門家やSEO関連ブログで便宜的に使われている名称です。
ポイントは以下の通りです:
- コンテンツの品質がより重視される
- E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)が重要
- 実体験や専門知識のあるコンテンツが評価されやすい
今回の「Perspective」とは、「新しい検索体験を提供する機能の導入」として、2023年5月のGoogle I/Oなどで発表され、米国で先行していました。
検索結果に多様な視点(Perspectives)を導入する機能で、従来の検索結果だけでなく、個人の体験や意見を含むコンテンツ(ソーシャルメディアの投稿、フォーラム、Q&Aサイト、動画など)をまとめて表示する機能またはフィルターを言います。
日本でもいよいよ2025年9月から更新されたことが、今回のGoogleSearchConsoleからのデータで確認できました。
検索結果の表示仕様変更
- 検索結果ページの仕様変更により、Google Search Console(GSC)上で表示回数が減少
- クリック数は安定する場合が多く、トラフィックへの影響は限定的
AIによる検索要約(AI Overviews)の導入
- 検索結果にAI要約(AI Overviews)が表示されることで、ユーザーがクリックせずに情報を得られる(ゼロクリック)
- 一部のクエリでは、CTRやクリック数の減少が見られることもある
関連記事でAI ModeとAI Overviewを解説しています。参考にしてください。
GSCのデータの変化
GoogleSearchConsoleで、どのような変化が起きているのか、まとめてみました。
指標 | 変化 | 背景 |
---|---|---|
表示回数 | 減少 | 表示仕様変更やAI要約の影響 |
クリック数 | 安定 | 実際のユーザー行動は大きく変化なし |
平均CTR | 上昇 | 上位表示されたページへのクリック率が高まる |
平均掲載順位 | 上昇 | 上位に残ったページの割合が増える |
これらの予測された変化を、実際に、ぼくのブログサイトから確認してみました。
以下にその状況をまとめてみました。
2025年9月に変化したGSCグラフ変化の事例
現在運営中の6つのブログで、アルゴリズム更新「Perspective」の影響を確認しました。
その中から、Google Search Consoleで確認できたグラフを紹介します。
■合計クリック数は安定している

■合計表示回数が9月上旬に減少した

■平均CTRが9月上旬から上昇した

■平均掲載順位が9月上旬から上昇した

Googleアドセンスへの影響
グラフで示したブログサイトは、AIとGoogleアドセンスの特化ブログに再構築したことと、今回のGoogleアップデートが重なり、相乗効果でCTRと掲載順位が思った以上に上昇しました。
その結果、GoogleアドセンスのPRPM(ページインプレッション収益)が大きく上昇しました。
Googleのアップデートにより、エビデンスをもとに体験と考察メインの記事が評価を得た結果だと考えます。中には数年前の体験記事が上位にランキングされた事例もあります。
昨年対比で2025年9月以降の収益は、約1.8倍となっています。
今後の対応策
- コンテンツの品質向上
実体験や専門知識をもとに、読者に有益な情報を提供する - 検索意図に応える
読者が求める情報をわかりやすく整理する - タイトル・メタディスクリプションの最適化
AI要約が表示されるクエリでもクリックされやすい表現に工夫する
まとめ
- 表示回数が減少しても、必ずしもSEOが失敗したわけではない
- コアアルゴリズム更新ではE-E-A-Tがさらに重要
- タイトル・メタディスクリプションも見直すことでCTR向上が期待できる
Googleサーチコンソールを見た時に、これほど表示回数が減少したら収益も下がるのではないかと不安になりましたが、逆にコンテンツ評価が上がり、収益が増加する結果となりました。
これからは、Googleのポリシーにしがたい、AIによる記事増産ではなく、記事に質を高めることがさらに重要となります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2025年9月のGoogleアルゴリズム更新は公式に発表されていますか?
A. 今回の更新について、Google公式からの詳細な発表はありません。「Perspective」という名称は、SEO業界や専門家が便宜的に使っている呼び方です。
Q2. GSCで表示回数が減ったらSEOに失敗したのでしょうか?
A. 表示回数が減少しても、必ずしもSEOが失敗したわけではありません。表示仕様の変更やAIによる検索要約の影響で、GSCの数値が変化している可能性があります。
Q3. クリック数やCTRも下がるのですか?
A. 必ずしも下がりません。表示回数が減少しても、上位表示されたページはCTRや掲載順位が改善することがあります。
Q4. E-E-A-Tとは何ですか?
A.Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の略で、Googleがコンテンツ評価の指標として重視する要素です。
Q5. 今回の更新に対してどのような対応をすれば良いですか?
A. コンテンツの品質を高め、検索意図に応える情報を提供することが基本です。また、タイトルやメタディスクリプションを最適化して、検索結果でクリックされやすい工夫をすることも効果的です。