Windows 11を安心して使い続けるために、サポート期限を正しく理解することはとても重要です。
「Windows 11を使っているから大丈夫」と思っていても、実はバージョンごとにサポート期限が設定されているため、古いバージョンのまま放置しているとセキュリティリスクにさらされる可能性があります。
この記事では、Windows 11ユーザーの方向けに、各バージョンのサポート期限と、安全に使い続けるための対策を詳しく解説します。
Windows 11のサポート体制について

Windows 11は従来のWindowsとは異なり、「モダンライフサイクルポリシー」という新しいサポート方式を採用しています。
これは、年に1回の機能更新プログラムを適用し続けることで、継続的にサポートを受けられる仕組みです。
つまり、Windows 11というOS全体に一つのサポート期限があるのではなく、各バージョンごとにサポート期限が設定されているという点が重要なポイントです。
Windows 11各バージョンのサポート期限一覧
現在リリースされているWindows 11の各バージョンと、そのサポート終了日は以下の通りです。
Home/Pro/Pro Educationエディション
This applies to the following editions: Home, Pro, Pro Education, Pro for Workstations, SE

参考:Microsoft Learn
参考:Windows Central
上記の情報をまとめると以下の表の通りになります。
バージョン | リリース日 | サポート終了日 | 状態 |
---|---|---|---|
25H2 (2025 Update) | 2025年9月30日 | 2027年10月12日 | ✅ サポート中(最新) |
24H2 (2024 Update) | 2024年10月1日 | 2026年10月13日 | ✅ サポート中 |
23H2 (2023 Update) | 2023年10月31日 | 2025年11月11日 | ✅ サポート中 |
22H2 (2022 Update) | 2022年9月20日 | 2024年10月8日 | ❌ サポート終了 |
21H2 (初期バージョン) | 2021年10月4日 | 2023年10月10日 | ❌ サポート終了 |
Enterprise/Educationエディション
企業向けエディションでは、各バージョンに対してより長いサポート期間(約3年間)が提供されています。
例えば、25H2のEnterpriseエディションは2028年10月10日まで、24H2のEnterpriseエディションは2027年10月13日までサポートされます。
現在使用中のバージョンを確認する方法
まずは、お使いのWindows 11のバージョンを確認しましょう。
- 「スタート」メニューから「設定」をクリック
- 左側のメニューから「システム」を選択
- 右側のメニューで「バージョン情報」をクリック
- 「Windowsの仕様」セクションの「バージョン」を確認
以下のように表示されます。

サポート終了後も使い続けるとどうなる?
サポート期限が切れたバージョンを使い続けると、以下のようなリスクが発生します。
1. セキュリティ更新プログラムが提供されない
最も深刻な問題は、セキュリティの脆弱性が発見されても修正プログラムが提供されなくなることです。サイバー攻撃者は、サポートが終了したOSを格好の標的と見なすため、ウイルス感染やマルウェアの被害に遭うリスクが急激に高まります。
2. 機能更新やバグ修正が受けられない
新機能の追加やパフォーマンス改善のアップデートが提供されなくなり、システムの不具合が残ったままになる可能性があります。
3. ソフトウェアや周辺機器の互換性問題
多くのソフトウェアメーカーや周辺機器メーカーは、サポートが終了したOSでの動作保証を行いません。徐々に使えるアプリケーションやデバイスが制限されていく可能性があります。
4. フィッシング詐欺やなりすまし攻撃に無防備
最新のセキュリティ対策がないため、本物そっくりの偽サイトに誘導されたり、ログイン情報を盗まれたりするリスクが高まります。
今すぐ実施すべき対策

22H2や21H2を使っている場合(緊急)
これらのバージョンはすでにサポートが終了しています。今すぐ最新バージョンへのアップデートが必要です。
23H2を使っている場合(要注意)
2025年11月11日にサポートが終了します。年内には25H2または24H2へのアップデートが必要です。
24H2を使っている場合
2026年10月13日までサポートされますが、最新の25H2へのアップデートを検討しましょう。
25H2を使っている場合(推奨)
現時点で最新バージョンです。2027年10月12日までサポートされます。次回の機能更新プログラム(26H2)がリリースされたら、適切なタイミングでアップデートを検討しましょう。
Windows 11を最新バージョンにアップデートする方法
自動更新を利用する場合

- 「スタート」→「設定」→「Windows Update」を開く
- 「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオン
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 機能更新プログラムが表示されたら、「ダウンロードとインストール」を実行
- 再起動を求められたら、作業を保存して再起動
手動でインストールする場合
Windows Updateに表示されない場合は、Microsoft公式サイトから「Windows 11インストールアシスタント」をダウンロードして手動でアップデートすることも可能です。
アップデート前の準備(重要)
アップデートを実行する前に、必ず以下の準備を行いましょう。
1. データのバックアップ
万が一に備えて、重要なファイルやデータを外付けHDDやクラウドストレージにバックアップしてください。
2. ソフトウェアと周辺機器の互換性確認
使用中のアプリケーションや接続している周辺機器が新しいバージョンに対応しているか、メーカーのWebサイトで確認しましょう。
3. 十分な空き容量の確保
アップデートには少なくとも20GB以上の空き容量が必要です。不要なファイルを整理しておきましょう。
4. 安定したインターネット環境
ダウンロードには時間がかかるため、安定したWi-Fi環境で実施してください。
5. ACアダプタの接続
ノートPCの場合、バッテリー切れでアップデートが中断されないよう、必ず電源に接続した状態で実行しましょう。
■25H2Hのインストール方法の詳細 ➡ こちら
Windows 11 25H2の主な特徴

最新バージョンの25H2は、2025年9月30日にリリースされました。このバージョンは従来の大規模更新とは異なり、「共有サービスモデル」を採用しています。
24H2からのアップデートが簡単
25H2は24H2と基盤(サービスブランチ)を共有しているため、24H2から25H2へのアップデートは非常にスムーズです。「有効化パッケージ(enablement package)」という小型のパッチを適用するだけで完了し、通常の月例更新とほぼ同じ時間で再起動1回で済みます。
これは、従来の大規模アップデートのように全システムファイルを置き換える必要がないためです。24H2の月例更新を受けていれば、25H2の新機能は既に無効化された状態で配信されており、有効化パッケージがそれらを有効にするだけという仕組みです。
25H2の主な改善点
25H2は派手な新機能よりも、以下のような実用的な改善に重点を置いています:
- セキュリティの強化: 最新の脅威に対する保護機能の向上
- システム安定性の向上: バグ修正とパフォーマンス改善
- 既存機能の最適化: 24H2で導入された機能の洗練
- 企業向け管理機能の強化: プリインストールアプリの削除ポリシーなど
なお、一部の機能(PowerShell 2.0やWMICなど)は25H2で削除されているため、これらに依存したシステムを使用している場合は注意が必要です。
24H2の主な新機能(25H2でも利用可能)
24H2で導入され、25H2でも引き続き利用できる主な機能は以下の通りです:
- Wi-Fi 7対応: より高速で安定した通信環境
- 省エネ性能の向上: バッテリー持続時間の改善
- 自動HDRと可変リフレッシュレート: ゲームや動画再生の品質向上
- AI機能の強化: Copilot+ PC向けの新機能追加
- セキュリティの強化: 最新の脅威に対する保護機能
Windows11 25H2を使った感想

バージョン24H2 から25H2に10月上旬に更新しました。
25H2は24H2と基盤(サービスブランチ)を共有しているので、24H2から25H2へのアップデートは非常にスムーズです。従来ならかなり時間を要し手、再起動も多数行いました。しかし、今回は更新時間はあっという間で再起動は1回と驚きました。
アップデートしてから1週間経過しましたが、現在問題は発生していません。
まとめ:安全に使い続けるために
Windows 11 25H2のサポート終了日は、2027年10月12日を予定しています。
Windows 11を安全に使い続けるためのポイントを振り返りましょう。
✅ 定期的にバージョンを確認する: 使用中のバージョンとサポート期限を把握する
✅ サポート期限前に更新する: 期限切れになる前に最新バージョンへアップデート
✅ Windows Updateを有効にする: 自動更新を活用してセキュリティを保つ
✅ バックアップを習慣化する: 大切なデータは定期的にバックアップ
Windows 11は「モダンライフサイクルポリシー」により、継続的なアップデートが必要なOSです。面倒に感じるかもしれませんが、これらの更新により最新のセキュリティ保護と新機能を利用できるというメリットがあります。
現在22H2や21H2を使用している方は今すぐ、23H2を使用している方も年内中にアップデートを実施し、安全で快適なWindows 11ライフを継続しましょう。
※本記事の情報は公開時点のものです。最新の情報はMicrosoftの公式サイトでご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. Windows 11は今後も無料でアップデートできますか?
はい、Windows 11の機能更新プログラム(バージョンアップ)は無料で提供されます。23H2から24H2へ、または24H2から25H2へのアップデートも追加費用は一切かかりません。ただし、インターネット通信料は別途必要です。
Q2. 古いバージョンのWindows 11をそのまま使い続けるとどうなりますか?
サポート期限が切れたバージョンを使い続けると、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなります。これにより、ウイルスやマルウェアの感染リスクが非常に高くなり、個人情報漏洩や不正アクセスなどの被害に遭う可能性が高まります。また、最新のソフトウェアや周辺機器が正常に動作しなくなる場合もあります。
Q3. 24H2から25H2へのアップデートは必須ですか?
必須ではありませんが、推奨されます。24H2のサポートは2026年10月13日まで続くため、すぐに更新する必要はありません。ただし、25H2は24H2と基盤を共有しているため、アップデートが非常に軽量で簡単です。また、サポート期間が2027年10月12日まで延びるため、より長く安心して使用できます。
Q4. アップデート中にパソコンが使えなくなる時間はどのくらいですか?
アップデートの種類によって異なります。25H2のような有効化パッケージ方式のアップデートであれば、通常の月例更新と同程度で、再起動を含めて30分~1時間程度です。一方、23H2から24H2のような大規模なバージョンアップデートの場合は、1~3時間程度かかることがあります。パソコンの性能やインターネット速度によっても変動します。
Q5. Windows 11のサポート期限が切れたら、Windows 12にアップグレードする必要がありますか?
現時点では、Windows 12のリリース予定について公式発表はありません。Windows 11は「モダンライフサイクルポリシー」により、年1回の機能更新プログラムを適用し続けることで、長期間使用できる設計になっています。各バージョンのサポート期限が切れる前に、次のバージョンへアップデートすることで、継続的に安全に使用できます。