はじめに:2025年、個人ブロガーにも脅威が
2025年は、AIを活用したサイバー攻撃が急増しています。
これまで企業が標的だった攻撃の一部が、今では収益化している個人ブロガーにも向けられるようになりました。
WordPressやGoogleアカウントを乗っ取られ、広告収益や読者信頼を一瞬で失うケースも報告されています。
この記事では、最新のセキュリティ動向を踏まえ、個人ブロガーが直面する脅威と効果的な対策を詳しく紹介します。
2025年のセキュリティ動向:AIが攻撃の主役に

AIが攻撃のスピードと精度を上げる
IBMやDeloitteの最新レポートによると、2025年は「AI支援攻撃(AI-assisted attack)」が急増しています。
攻撃者はAIを使って次のような行動を取っています。
- フィッシングメールを自動生成して数分で数千件送信
- 音声のディープフェイクを使い、SNS経由でなりすまし詐欺を実行
- 自動マルウェア生成でウイルス検知を回避
AIによって攻撃コストが下がり、ターゲットが「中小サイト」や「個人運営ブログ」にも広がっています。
個人ブロガーが直面する主な脅威
① アカウント乗っ取り(ログイン情報の窃取)
WordPressやGoogleアカウントが狙われやすく、被害にあうとサイト改ざんや広告収益の奪取につながります。
パスワードの再利用や二段階認証の未設定が主な原因です。
② マルバタイジング(悪意ある広告配信)
第三者広告を通じてマルウェアを仕込む「マルバタイジング」も拡大中。
訪問者を危険サイトに誘導する事例があり、信頼性のある広告ネットワークの選定が欠かせません。
③ コンテンツ盗用・なりすまし
AIによる自動生成で、記事を丸ごとコピーして別サイトに掲載するケースが増加。
検索順位を奪われるだけでなく、あなた本人を装った詐欺アカウントが出現することも。
④ サプライチェーンの脆弱性
プラグインやテーマ経由の侵入も多発。
特に更新を止めたプラグインを放置するのは危険です。
攻撃だけじゃない:防御もAI化が進む
防御側もAIを活用し始めています。
たとえば、
- ログイン異常をAIが検知して自動ロック
- 広告配信の異常検出(不正クリックや改ざん)
- コンテンツ盗用の自動検出ツール(Copyscape, PlagiaShield など)
AIは脅威であり、同時に強力な防御ツールでもあります。
今すぐ実行すべきセキュリティ3つの対策(優先順)

【A】今日中にやること(最優先)
- 全アカウントにMFAまたはパスキーを設定
- WordPressやサーバーを自動バックアップ化
- 使用していないプラグインは削除し最新状態に
MFA → Multi-Factor Authentication(多要素認証)の略で、パスワードだけでなく、ユーザー自身が持つ「所持情報」(スマートフォンなど)や「生体情報」(指紋、顔など)といった複数の異なる要素を組み合わせて本人確認を行う認証方法です。
これにより、パスワードが盗まれても不正ログインを防ぎ、より安全性を高めることができます。
【B】1週間以内にやること
- CloudflareなどのWAF/CDNを有効化
- 広告リンク先を月1回チェック(不審なリダイレクトがないか)
- メール・DMの内容を常に疑う習慣をつける
WAFとCDN → Webサイトの性能向上とセキュリティ強化に役立つ技術で、両方を併用すると効果的です。
- CDN(Content Delivery Network)は、ユーザーに近い場所にあるサーバーにコンテンツをキャッシュすることで、Webサイトの表示速度を上げ、大量アクセス時のサーバー負荷を軽減します。
- WAF(Web Application Firewall)は、SQLインジェクションのようなWebアプリケーションの脆弱性を狙った不正な攻撃からWebサイトを保護します。
WAFは、エックスサーバーで設定できます。➡ AWF設定方法
【C】1ヶ月以内に整備すべき仕組み
- 偽サイト・偽アカウント通報テンプレートを準備
- 自動セキュリティ監視サービス(例:Sucuri, Wordfence)導入
- バックアップ復元テストを実施(緊急時に戻せるか確認)
無料セキュリティ監視はこちら ➡ 初心者版!Wordfence Securityの設定方法から使い方まで詳しく解説
トラブル発生時の対応フロー(48時間以内)
- 影響範囲を特定(どのアカウント・データが被害か)
- ログイン情報リセット・MFA再設定
- バックアップから復旧
- 広告・SNS・ホスティングに報告
- 原因分析→再発防止設定を反映
セキュリティ費用の目安
| 対策内容 | 月額目安 | 効果 |
|---|---|---|
| パスワードマネージャ+MFA | 無料〜数百円 | 乗っ取り防止 |
| 自動バックアップ | ¥500〜¥1,000 | 復旧迅速化 |
| WAF/CDN(Cloudflare Proなど) | ¥2,000前後 | 攻撃遮断 |
| 有料セキュリティプラグイン | ¥1,000〜 | 改ざん検知 |
投資は月数千円でも、被害を防げば十分に元が取れます。
セキュリティ対策を甘く見ていた初心者時代の体験

ブログを開設して間もない頃、ブログ記事を書くことで、ついついセキュリティ対策をおろそかになるものです。
ぼくが200記事を書いたころ、それまで面倒な設定と思っていたセキュリティ対策をすることにしました。理由は、海外から新しく開設したWordPressブログが狙われている情報を記事で読んで危機感を覚えたことです。
そこで、WordPressへのアタックやスパムコメント・メールを察知して防御するプラグインを設定しました。
その結果、目にしたものは、海外も含め多数のアタックです。日々発生していました。
目の当たりにしたこの時は、本当にゾッとしました。
またアドセンスなどでは悪意のあるクリックなども発生して広告配信が止まったことも2回ほど経験しました。
現在はAIが監視しているこことと、レンタルサーバー側でも対策が進んでいます。
とは言え、個人のブログでも、しっかりセキュリティ対策をすることをおすすめします。
まとめ:AI時代のセキュリティは“スピード勝負”
AI時代の攻撃は速く、精度も高くなっています。
個人ブロガーにとって大切なのは、「一度やられたら終わり」ではなく、やられる前に防ぐ仕組みを持つことです。
- MFAとバックアップは“最低限の防御線”
- プラグインや広告の更新チェックを習慣化
- そしてAIを「脅威」ではなく「守る武器」として使う
この3つを徹底することが、2025年の個人ブロガーに求められる新しいセキュリティの姿です。
💬 よくある質問(FAQ)
Q1. 無料のセキュリティプラグインでも十分ですか?
A1. 基本的な防御(ログイン制限・スキャン)は可能ですが、有料版は自動監視や即時通知などの機能が充実しています。収益ブログなら投資価値があります。
Q2. AIを使った攻撃って本当に個人も狙われるの?
A2. はい。攻撃者はAIで「自動的にターゲットを抽出」するため、影響力やPVがある個人サイトも標的になります。
Q3. 二段階認証とパスキー、どちらが安全?
A3. 現時点ではパスキー(Passkey)がより安全です。スマホや生体認証と連動し、パスワード流出のリスクをなくせます。
Q4. サイト改ざんされたらどうすれば?
A4. まずサイトをメンテナンスモードにして拡散を防ぎ、バックアップから復旧。ログを確認して脆弱なプラグインを更新・削除しましょう。
Q5. コンテンツ盗用を見つけた場合の対応は?
A5. GoogleのDMCA申請や、コピーサイトのホスティング会社に削除依頼を送ります。証拠スクリーンショットも保存しておきましょう。
