2025年現在、多くのブロガーが直面しているのが、「アクセス数が減っているのに、なぜか収益が増えている」という現象に遭遇することです。
特にGoogleアドセンスで運用している中堅ブロガーにとっては、「何が要因なのか」を理解することが、今後の戦略に直結します。
今回は、IT系特化ブログを例に 「PV数が昨年対比16%減少したが、収益は30%増加した」 という事例を元に、その背景を分析します。
2025年Googleアドセンスで起きた現象

最近、PV数が減少したのは、コアアップデートやスパムアップデートの影響か?
そんなことを考えながらアドセンスの管理画面をながめていた。
その時に、気が付いたことがあった。それは、PV数が昨年同時期の比較で16%も減少しているのに、収益は30%も増加している現象です。
嬉しい反面、ブログの今後はどうなるのか?この現象はなぜ起きるのか?そんな疑問がよぎりました。
そこで、今回はこの現象の原因を運営しているブログのデータを分析しつつ、考察してみました。
なぜ、PV数が減少したのに、収益が増加しているのかという問題です。
PV数減少と収益増加の関連性「PRPM」

一見すると矛盾しているようですが、この現象は 「PV数よりもPRPM(Page Revenue per Mille:1000PVあたりの収益)」の上昇 によって説明できます。
- PV数 → 広告が表示された回数
- PRPM → 1000PVあたりに得られる収益(広告単価×クリック率などが影響)
つまり、PV数が減っても、PRPMが大きく上昇すれば、全体の収益は増加します。
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PV減少と収益増加が同時に起こる理由
1. 広告単価(CPC)の上昇
広告主の入札単価は時期や業界によって変動します。特に9月は下半期の広告予算が動き出すタイミングで、クリック単価が高騰しやすい時期です。
2. クリック率(CTR)の改善
PVは減っても、広告配置やGoogleの自動最適化の影響でCTRが上がれば、収益は増えます。少数のアクセスでも「行動意欲の高い読者」が残ることで、効率的に収益化できるわけです。
3. AI検索・アップデートの影響
GoogleのAI検索やスパムアップデートにより、浅い検索意図のユーザー流入は減少しました。その一方で、残っている読者は「具体的な情報を求める層」で、広告の成果につながりやすいといえます。
AIカテゴリ追加がもたらした影響

今回の事例では、ブログに 「AI活用」カテゴリを新設 したことが大きな要因です。
AI関連の記事は以下の理由で広告単価が高くなりやすいです。
- 「業務効率化ツール」や「法人向けソリューション」など広告主の競争が激しい
- 読者層が「個人ブロガー」「フリーランス」「企業担当者」と購買意欲が強い
- トレンド性が高く、広告主が新しい顧客を獲得したいジャンル
その結果、1,000PVあたりの収益が通常ジャンルより数倍高いことがよくあります。
なぜAI分野は単価が高いのか?
理由のひとつは、広告主(AIツール提供企業・SaaS企業・法人向けサービス)が 新規ユーザー獲得に積極的に広告予算を投じていることです。
- 読者層が「ブロガー・フリーランス・企業担当者」など、購買力と導入意欲が高い
- トレンド性が強く、広告入札競争が激しい
結果として、AI記事は少ないアクセスでも高収益につながりやすいジャンルです。
まとめると次のポイントが見えてきます。
- AI関連の記事は新規性が高く、広告主の競争も激しい
- そのため、 AI・ITツール系広告の入札単価(CPC)が高い
- PRPMが、従来のブログ運営記事よりも 1.5~2倍近く高くなるケース が多い
事例
- ブログ運営記事 → PRPM 800円
- AIカテゴリ記事 → PRPM 1,600円
この事例のように、カテゴリの違いが 収益効率の差 を生み、結果として「アクセスは減ったが収益は増えた」という現象に繋がります。
AI検索・スパムアップデート・季節性の影響
収益増加の背景には、外部要因も関係します。その要因を3つ説明します。
- AI検索(SGE)
→ GoogleのAIモードの様にAI検索が日本でもスタートしました。その結果、従来の検索トラフィックは減少する傾向にありますが、AI系キーワードは依然として強い需要があります。 - スパムアップデート
→ 雑多な低品質サイトが順位を落とす中、専門性の高いAIノウハウ記事が評価されやすい。 - 季節性
→ 9月は広告単価が比較的高め(秋商戦・年度後半予算消化)で、AI分野は特に広告需要が高まります。
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ブログジャンルと収益効率の関連性をどう見るか?
中堅ブロガーの方は「PVをどう増やすか」ばかりに注目しがちですが、収益の伸びには ジャンル特性 × 広告単価 が深く関わっています。
分析のポイント
- ジャンル別RPMを計測する
- AdSense → レポート → ページ単位
- URLフィルタで「ai」「adsense」などを指定
- 各カテゴリのPV・収益・RPMを比較
- 前年同月と比較する
- AdSenseの期間設定で「前年同月と比較」を有効化
- 「収益増加分のうち、どれくらいがAI記事由来か」が数値でわかる
- GA4で記事タイトル単位のデータを補足
- GA4 → エンゲージメント → ページとスクリーン
- 「ページタイトル」で滞在時間や離脱率を確認
- AI記事が読者の関心を長く引きつけているかを裏付け
ブロガーが取るべき分析手順
同じような現象が起きているかどうかは、自分のブログでも確認可能です。
手順は以下の通り。
- Googleアナリティクス(GA4)で記事タイトルごとのPVを確認
- レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン
- Googleアドセンスで「ページ別レポート」を確認
- ページ単位で収益・PRPMをチェック
- 記事カテゴリごとにPRPMを比較
- 例:「ブログ運営」 vs 「AI活用」
- どのカテゴリが収益効率が高いか一目でわかる
この分析の結果、「AI系の記事はPVが少なくてもPRPMが高い」という傾向が見えれば、戦略的にAI記事を強化すべきと判断できます。
結論:AIカテゴリは収益ドライバーになりうる
PV数の増減だけを見て一喜一憂するのではなく、 収益効率(PRPM)の高いカテゴリに注力する戦略 が、中堅以上のブロガーには欠かせません。
- アクセスは減少しても収益が伸びるのは「PRPMが高い記事が増えた」証拠
- AI活用カテゴリは広告単価が高く、収益ドライバーになりやすい
- 今後はカテゴリごとの収益性を定期的に分析し、リソースを最適配分することが重要
FAQ(よくある質問)
Q1. PVが減っているのに収益が伸びるのは本当に珍しいことですか?
A1. いいえ。PRPMが高いカテゴリ記事が伸びれば、PV減でも収益増加は十分ありえます。
Q2. AIカテゴリは今後も収益性が高いですか?
A2. 少なくとも中期的には高水準が続くと考えられます。ただし競合が増えるため、専門性と実体験を盛り込むことが重要です。
Q3. 分析する際はPVと収益、どちらを優先すべきですか?
A3. 中堅ブロガーであれば「収益効率(PRPM)」を優先する方が戦略的です。