Googleアドセンスの広告が突然停止することがあります。
いったい何が起こったのかと不安になる方も少なくありません。
その原因は「無効なクリック」の疑いが否定できません。
無効なクリック(アドセンス狩りを含む)とは、AdSenseの「無効なトラフィックの問題」を引き起こす原因の一つで、AdSenseのアカウント停止につながるリスクもあります。
ここで今回はアドセンスの広告が停止した方をはじめ、無効クリックの事前対策をしたい方向けに対策方法を解説します。
その方法の一つとしてGoogleAdSenseの広告を無効クリックから守る対策プラグイン「AdSense Invalid Click Protector(AICP)」があります。
今回はAICPの設定方法と追加コードの設定方法までを説明します。
2024年6月に、「AdSense Invalid Click Protector(AICP)1.2.11」に脆弱性が報告されました。そのため利用している方は最新バージョン1.3.0を利用してください。
無効なトラフィックとは?
Googleアドセンスでは無効なトラフィックについて次の通り定義しています。
無効なトラフィックとは、広告主様の費用やサイト運営者様の収益を作為的に増やす可能性のあるクリックやインプレッションのことです。無効なトラフィックには、意図的な不正トラフィックや偶発的クリックが含まれます。
引用:GoogleAdSenseヘルプ 無効なトラフィックの定義
無効なトラフィックの例は次のとおりです。
つまり、ブログ運営者が自分で広告のクリック数やインプレッション数を増やすことなどの行為により無効となることです。また偶発的なクリックも含まれるので注意が必要です。
無効なクリックが原因で無効なトラフィックが発生すると、Googleアドセスの広告配信がストップされり、アドセンスのアカウント停止になることもあります。
出典:GoogleAdSenseヘルプ 無効なトラフィックの定義
アドセンス狩りと無効クリックの関係
Googleアドセンスを運用しているとどのようなサイトでも無効なクリックの発生は避けられません。
特に意図的な多量クリックを発生する「アドセンス狩り」。
そのIPをブロックする対策はある程度の効果はあったとしても根本的な対策にはなりません。
モバイルの訪問者のIPアドレスはその都度変わる可能性があります。
また、パソコン経由だとしても簡単にIPを変えて訪問してクリックできることからIPブロックの効果は本質的な対策にはなりません。
無効クリックの本質的な対策は、低品質のトラフックを減らし、品質の高いトラフィックを増やすことになります。
そのためには、ユーザーにとって有益で品質の高いコンテンツでサイトを作ることが重要になります。
とはいえ目の前の対策は必須なので進めましょう!
アドセンス向け無効クリック対策プラグイン「AICP」とは?
「AdSense Invalid Click Protector」(呼称:AICP)は、Google AdSenseの無効クリックを防止するプラグインです。
この記事では以下「AICP」と表記します。
ブログの運営者に落ち度が無くても、無効クリックされた場合は「無効なトラフィックの問題」でペナルティを受けます。
その結果、アカウントが停止されないまでも30日以内の広告配信の制限を受けたり(事実上停止)、最悪の場合AdSenseのアカウントが停止、無効になるリスクがあります。
その対策として、現在の有効な手段はプラグインAICPを導入することになります。
プラグインAICPの2つのメリット
プラグイン「AdSense Invalid Click Protector」(呼称:AICP)には次の2つのメリットがあります。
- 無効クリックをブロックすることができる
- ブロックしたユーザーのIPアドレスが記録できる
Googleアドセンスの広告で発生する無効クリックをブロックすることができます。
また、ブロックしたユーザーのIPアドレスを記録する機能がありますので、Googleアドセンスに無効クリックを報告する時に利用することができます。
プラグインAICPのデメリット
プラグイン「AdSense Invalid Click Protector」(呼称:AICP)にはデメリットが3つあります。
- アドセンスの自動広告では機能しない。
- PCだけで機能する。スマホでは機能しない。
- キャッシュプラグインを無効にする。
- AICPだけでは使えない。コードを追加する必要がある。
AICPプラグインはGoogleアドセンスの自動広告では機能しないので注意が必要です。
つまり、手動広告でその機能を発揮するプラグインですから、自動広告を使っている方は手動広告に切り替えることが必要となります。
また、AICPはパソコンだけで機能するプラグインです。
いまやネットはスマホがメインになっているので、はたしてAICPだけでは無効クリックをブロックすることはできません。
とは言えパソコンユーザーからの無効クリックはブロックできるのでGoogleアドセンスをやるなら必須と言えます。
AICPを使用する場合はキャッシュプラグインを無効にする必要があります。
さらに追加設定が必要となります。
理由は、AICPをインストールして設定しても無効クリックを防ぐことはできないからです。
無効クリックをブロックするためにはAICPプラグインで指定のコードを使うことが必要になります。
この段階ではまずAICPをインストールして設定しましょう。
追加コード設定は時事の最後で説明します。
「AdSense Invalid Click Protector」のインストール方法
WordPressのプラグインから、キーワード”AICP”で検索してプラグイン「AdSense Invalid Click Protector」をWordpressにインストールし有効にします。
基本的に設定はデフォルトでOKです。
これでプラグインAICPのインストールは完了しました。
AICPの設定項目の説明
基本的に設定はデフォルトのままでOKですが、念のため各設定項目を簡単に説明します。
(1)Set the Ad Click Limit
同じユーザーがAdSense広告何回クリックしたら広告表示を停止するかを設定します。
デフォルトは3回に設定しています。
(2)Click Counter Cooke Expiration Time
同じユーザーの連続クリックをカウントする時間間隔。
デフォルトの3時間のままにしておきます。
(3)Set the Visitor Ban Duration (default: 7 days)
無効クリックしたユーザーに対し広告を表示しない期間。
デフォルトは7日間です。
7日間の設定では7日より前の記録が消えてしまうので、以下を参考に最低でも1カ月(30日)以上に設定するのが好ましいと思います。
(4)Do you want to use the IP-API Pro key?
有料版を使用しないので「No」です。
(5)Provide your IP-API Pro key
有料版Iを使用しないのでこのまま何も入力しません。
(6)Do you want to block showing ads for some specific countries?
特定の国をブロックしないので「No」のままです。
(7)Banned Country List – Put ISO ALPHA-2 Country Codes
特定の国をブロックしないので空白です。
上記の設定だと、同一ユーザーが3時間以内に3回以上クリックするとAdSense広告の表示が7日間停止されるということになります。
実際に運用してみて変更が必要な場合は調整してください。
追加コードをWordPressに設定する方法
この追加コードの設定方法は以下の記事で紹介します。
AICPをインストール後に、指定のコードを手動でWordPressのfunction.phpを設定する方法と、プラグインで安全に設定する方法の2つがあります。
- 手動でWordPressのfunction.phpを設定する方法
- プラグイン「Code Snippets」で設定する方法
function.phoの編集に自信のない方は、Ad Invalid Click Protector(AICP)を導入・設定後にプラグイン「Code Snippets」を入れましょう。
WordPressのfunctions.phpの編集・管理ができるプラグインなので、重要ファイルをさわることなくカンタンにコードを入れることができます。
コード設定の詳細は以下の記事で説明します。
先に説明した通り、AdSense Invalid Click Protectorはインストールしただけではブロックすることができません。
そこで、AICPが機能するためには下記の記事で説明する処理をすることで初めてブロックできるようになります。
無効なトラフィックが発生してしまった方
無効なトラフィックの問題が発生してしまった場合は先にこちらの記事をご覧ください。
「AICP」プラグインの設定方法(まとめ)
無効なトラフックの問題の原因となる「無効なクリック」をブロックするWordPressプラグインの設定方法を紹介しました。
ロボットによるAdSense広告へのアタックなどもあり、完全にブロックできるわけではありませんが安心対策にはなります。
どのような原因であってもサイト管理者の責任になりますので是非対策を講じることをおすすめします。