GRCで検索順位を調べていたら、Googleの結果だけが「Google:ERR(KH)」とエラー表示されました。
これはどんなエラーなのでしょうか?
そこで今回はGRCのエラーの原因と対処方法について解説します。
GRCのエラー「Google:ERR(KH)」とは?

GRCは、ウェブサイトの検索順位をキーワードごとに追跡・分析するSEOツールです。
順位変動の履歴確認や競合比較が可能で、検索エンジンごとの結果も把握できます。
GRCは、検索エンジンyahoo、Google、Bingでの検索順位を調べSEO対策に役立つデータを効率的に提供します。
今回起きたエラーは、Googleの検索順位だけがエラーとなります。
そのエラーは下の画像の様になります。

エラーはGoogleだけで「Google:ERR(KH)」と表示されています。
一方、yahooとBingは通常通り表示されています。
エラーの原因
エラーの原因は、一般的に検索エンジン側の仕様変更で発生することがあります。
今回は、検索エンジン「Google」が仕様変更したことで、検索順位の取得ができなかったと言えます。
GRCの公式サイトでは次の様に説明しています。
項目の「ステータス」列に「ERR(KH)」と表示された場合は、検索エンジン側の仕様変更が原因で、検索順位が取得できなかったことを意味しています。
引用元:GRC
Googleの仕様変更とは?
Googleは検索エンジンの品質と安全性を保つために、2024年末〜2025年初めにかけて、2回の重要な仕様変更を行いました。
これは主に「スクレイピング(自動取得)」や「非公式なアクセス」を制限する目的があります。
変更1:JavaScriptを実行できないツールからのアクセスをブロック
変更内容は次の通りです。
Googleは、JavaScript(ウェブの動きを作るプログラム)を実行できないツールやソフトウェアからのアクセスを遮断しました。
なぜ変更したのかその理由ですが、スクレイピングツール(自動で検索結果を取得するソフト)などは、JavaScriptを実行せずに軽いデータだけを取得します。
つまり、これがGoogleの負荷を増やしたり、不正な情報収集に使われたりすることがあったため、不正利用防止と検索品質の保護が目的です。
変更2:JavaScriptが無効なブラウザでは検索結果が使えなくなった
2つ目の変更内容は、普通のブラウザ(ChromeやEdgeなど)であっても、JavaScriptをオフにしている場合は、Google検索が正常に使えないようになりました。
その結果、検索ボックスは表示されても、検索結果が出てこない、検索ボタンが反応しない、などの状態になります。
検索順位チェックツール「GRC」が使用不能になった
GRCは、ブログやサイト運営者が使う「検索順位チェックツール」です。自分のサイトがGoogleで何位に表示されているかを調べるために使われてきました。
なぜ使えなくなったのかその理由は、GRCはGoogleの検索結果をスクレイピングする形式で動いていました。
しかし今回の変更で、次の2つの現象が起こりました。
- JavaScriptを実行しない形式のツール → ✕ブロック対象
- ユーザーの操作を再現せず自動で取得 → ✕非推奨
その結果、Googleの仕様に適合しなくなったため、GRCでは順位取得ができなくなったのです。
エラーの対処方法
では、エラーの確認方法と対処方法を説明します。
この方法は、あくまでも回復見込みがある場合で参考にしてください。
もし利用ができない時は、記事末尾のGRCの代替え検索ツールを参考にしてください。
1.GRCの最新バージョンをチェック
GRCが古いバージョンの影響も否定できないため、一度GRCのバージョンをチェックしましょう。
現在のバージョン情報の確認は、ヘルプ → バージョン情報で確認できます。

現在のバージョンは、5.66.306 です。(2025年1月17日11時時点)
ヘルプ → 最新版にアップデート

これで最新バージョンにアップデートしておきます。
2.エラー項目の再チェック
次に、その後もエラーになっているかどうか再チェックします。
通常無料版のGRCは、1日1回しか検索順位チェックができませんが、エラー項目の再チェックは何度も可能です。
エラー項目だけをチェックしてくれます。
実行 → エラー項目再チェック

これでもエラーが改善されない場合は、エラー診断を実施します。
3.エラーの確認方法
エラーが改善されない場合は、エラー診断で確認します。
ヘルプ → サポート → エラー診断

エラー診断をすると、その内容により以下の内容が表示されます。

今回は「Google:ERR(KH)」が9件あることが確認できました。
ここから、「エラーの解説ページをブラウザで開きます。」のリンクをクリックしてエラーの内容を確認します。
4.エラーの対処方法
GRCの公式サイトでは、今回のエラーの原因が以下の通りなので、対処方法を確認します。
項目の「ステータス」列に「ERR(KH)」と表示された場合は、検索エンジン側の仕様変更が原因で、検索順位が取得できなかったことを意味しています。
引用元:GRC
公式サイトでは、次の通り対処方法を紹介しています。
このエラーにつきまして、現在、調査を行なっております。
引用元:GRC
エラーの修正が出来次第、自動アップデートによる対応、または、GRCから表示される「アップデートのお知らせ」で全てのユーザー様にお知らせいたします。
自動アップデートを待つか、アップデートのおお知らせの通知が来るのを待つかとなります。
GRCのアップデートには2種類ある
GRCには手動のアップデートと自動アップデートの2種類があります。
利用しているバージョンによりことなります。
GRCには、手動で行う必要があるバージョンアップと、自動で行われるバージョンアップがあります。
引用元:GRC
自動でバージョンアップが行われることを、自動アップデートといいます。
自動アップデートが行われるタイミングは、GRCを起動した直後、および、順位チェックの開始時です。
自動アップデート版を使っていない場合は、確認のため手動でアップデートしましょう。
ヘルプ → 最新版にアップデート

5.バージョンの確認方法
ヘルプ → バージョン情報で確認できます。

現在のバージョンは、5.66.306 です。(2025年1月17日11時時点)

「更新履歴ページを開く」から、現在のGECのエラーの改善履歴が見れます。

例えば、2025年1月のエラーが発生しているバージョンは5.66.3066です。
GRCが対応しているのは、5.66.303なのでまだ未対応となります。(2025年1月17日11時時点)
以上で対処方法の解説をおわります。
GRCの代替え案
GRCが使えなくなった現在、代替として使える「検索順位チェック」の方法やツールを目的別にわかりやすく紹介します。
以下はすべてGoogleの仕様に準拠した安全な方法です。
Googleは「自動取得(スクレイピング)」を明確に制限しており、今後もこの傾向は強まります。
したがって、GRCのように大量の順位を取得するスタイルのツールは全滅する可能性が高いです。
1. Google Search Console:無料・公式
- 特徴:Google公式。実際に検索されたキーワードでの平均順位、クリック率などが見られる。
- メリット:
- 無料で使える
- Google公式で安全
- 実際の検索クエリデータが取れる(SEO対策に最適)
- デメリット:
- 自分のサイトのデータしか見られない
- 「特定キーワードで今何位?」のチェックには不向き
2. ahrefs(エイチレフス):有料・高精度SEOツール
- 特徴:世界的に人気のSEO分析ツール。キーワード順位や競合分析が強力。
- メリット:
- 高精度な検索順位追跡
- 競合サイト分析も可能
- デメリット:
- 月額 1万円〜と高額
- 英語インターフェースが基本

3. Rank Tracker(ランクトラッカー):有料・GRCに似た操作感
- 特徴:Windows/Mac対応。GRCに近い使い方ができる。
- メリット:
- 大量のキーワードをトラッキング可能
- GRCユーザーにはなじみやすい
- デメリット:
- 無料版は機能制限あり
- Javaベースでやや動作が重い
- Googleの仕様変更で今後制限を受ける可能性あり(注意)

4. Ubersuggest(ウーバーサジェスト):手軽な順位チェック
- 特徴:Neil Patel氏が提供するSEOツール。ブラウザ上で簡易チェック可。
- メリット:
- 日本語対応
- UIが見やすい
- 月額 3,000円程度から
- デメリット:
- データ精度はahrefsよりやや劣る
5. 【補足】スマホでの順位確認(手動でも可能)
- シークレットモードで検索して「おおよその順位」を確認する
- 特定地域や端末での表示順位のばらつきをチェックできる
これはツールに頼らずともできる「簡易版順位確認法」です。
まとめ
GRCはSEO対策にとっては、必要なツールですが、今回の様なエラーが発生することがあります。
今回のエラー「Google:ERR(KH)」の原因が、Google検索エンジン側の仕様変更によることがわかりました。
対処としては、GRCがGoogle検索エンジン側の仕様変更に対応するのを待つことだと考えますが、現時点では難しいようです。
