Googleが2025年6月30日7:30(US/Pacific)に開始したコアアップデートが7月17日1:00(US/Pacific)に完了し、多くのWebサイトで検索順位の変動が確認されています。
今回のコアアップデートでは、どのような更新が行われたのでしょうか?
また、検索ランキングにどのような影響を及ぼしたのでしょうか?
当記事では、16日と18時間をかけて段階的に展開された「June 2025 core update」アップデートについて、詳しく解説していきます。
このアップデートは今年2回目のコアアップデートとなり、質の高いコンテンツの評価をさらに向上させることを目的としています。
2025年6月30日のコアアップデートの経過

Googleの2025年6月コアアップデートは6月30日午前7時34分(米国太平洋標準時の夏時間)に開始され、7月17日午前1時18分に完了しました。

Google Search Status Dashboardでは、「PDT」表示で夏時間となっています。
日本時間(ST 日本標準時)では、開始が2025年06月30日(月) 23:30で、終了は2025年07月17日(木) 17:00となります。
このアップデートは計16日と18時間をかけて展開され、Googleは当初「展開完了まで最大3週間かかる」と発表していましたが、それよりも短い期間となりました。
参考:2025年米国太平洋標準時の夏時間(PST/PDT)の開始は、2025/03/09(日) 03:00で、終了は2025/11/02(日) 01:00となっています。
アップデートの段階的展開
Googleのコアアップデートは常に段階的に展開されるため、サイトによって影響を受けるタイミングが異なるといわれています。
今回のアップデートでも、開始直後から順次異なるWebサイトに影響が及び始めました。
多くのSEO専門家やWebサイト運営者が、展開期間中に検索順位の変動やトラフィックの増減を報告しています。
アップデート完了後、各サイトは安定した新しい評価基準の下で順位が決定されることになります。
他のアップデートとの比較
2025年3月のコアアップデートは13日と21時間で完了していました。
今回の6月アップデートはそれよりも3日ほど長い期間を要しており、より大規模な変更が含まれていたことが推測されます。
過去の傾向を見ると、夏季のアップデートは通常8月に実施されることが多く、6月の実施は2019年と2021年以来となっています。
どんな点が更新されたのか?
今回のコアアップデートは、あらゆる業界において有用で高品質なコンテンツを見つけるGoogleの能力向上に焦点を当てています。
具体的には、コンテンツの質と有用性をより適切に評価できるようにアルゴリズムが改善されました。
コンテンツ品質の評価強化
今回のアップデートでは、単に情報が正確であるだけでなく、ユーザーにとって実際に役立つかどうかがより重視されるようになりました。
表面的な情報の羅列ではなく、深い洞察や実践的な価値を提供するコンテンツが高く評価される傾向が見られます。
また、専門性や権威性、信頼性(E-A-T)の評価基準もさらに洗練され、より厳格に適用されています。
ユーザーエクスペリエンスの重視
このアップデートはGoogle検索の品質、ユーザーエクスペリエンス、真の価値提供を重視し、AI駆動の回答へのさらなる推進を図っています。
ページの読み込み速度、モバイルフレンドリー性、コンテンツの構造化など、技術的な側面も評価に大きく影響するようになっています。
AI生成コンテンツへの対応
近年増加しているAI生成コンテンツに対する評価基準も今回のアップデートで調整されました。
AI技術を活用した高品質なコンテンツは適切に評価される一方で、単純な自動生成や低品質な大量コンテンツに対してはより厳しい判定が下されるようになっています。
コアアップデートによる影響

このアップデートにより、一部のサイトでは順位の大幅な下落、一部では大幅な改善が見られ、多くのサイトでは変化がありませんでした。
コアアップデートでは通常、Google検索結果に大きな変動と順位変更が発生します。
トラフィック変動の事例
一部の権威性の高いサイトで20%のトラフィック減少が報告されていますが、同時にコンバージョン率の大幅な低下も確認されています。
これは、単純にアクセス数だけでなく、ユーザーの質や行動パターンにも変化が生じていることを示しています。
一方で、ユーザーの検索意図により適切に応える高品質なコンテンツを提供していたサイトでは、順位やトラフィックの向上が報告されています。
過去のペナルティからの回復
興味深い点として、2024年9月のヘルプフルコンテンツアップデートや以前のコアアップデートの影響を受けていたサイトの一部で、今回部分的な回復が確認されています。
これは、サイト運営者が継続的にコンテンツの改善を行ってきた成果が認められたものと考えられます。
2024年3月に影響を受けた当時のサイトの事例を紹介します。(今回のコアアップデートで回復していま)す。
業界別の影響度合い
業界によっても影響の度合いは大きく異なりました。特に健康、医療、金融などのYMYL(Your Money or Your Life)分野では、専門性と信頼性がより厳格に評価される傾向が強まっています。
一方で、エンターテイメントや趣味関連のコンテンツでは、独自性や創造性がより重視されるようになっています。
個人ブログの対応
個人ブログ運営者にとって今回のコアアップデートは、コンテンツ戦略を見直す重要な機会となっています。
大手企業サイトとの差別化を図るためには、独自の視点や体験談を織り込んだ付加価値の高いコンテンツ作成が必要不可欠です。
コンテンツの質向上策
個人ブログでは、体験に基づいた具体的で実用的な情報提供が特に重要になります。
読者の問題解決に直結する内容や、実際の使用感レビュー、詳細な手順説明など、企業サイトでは提供できない個人ならではの価値を明確に示すことが求められます。
また、定期的なコンテンツ更新と情報の鮮度維持も重要な要素となっています。
技術的な改善点
ページ表示速度の最適化、モバイル対応の強化、適切な見出し構造の実装など、基本的な技術面での改善も欠かせません。
また、画像の最適化や内部リンクの整理、適切なメタデータの設定なども、検索エンジンからの評価向上に直結します。
専門性の確立
特定分野への特化と専門性の向上は、個人ブログが競争力を維持するための重要な戦略です。
幅広いトピックを浅く扱うよりも、限定された分野で深い知識と経験を共有することで、その分野における権威性を築くことが可能になります。
専門性や権威性、信頼性(E-A-T)の評価基準
E‐E‐A‐Tは、Googleがウェブサイトやコンテンツの品質を評価する際に用いる基準です。
Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4つの要素で、2022年12月にE-A-TからE-E-A-Tにアップデートされ、「経験」が追加されました。
個人ブログならではのExperience(経験)は差別化で重要なことは知られています。
ここであえて専門性・権威性・信頼性の評価基準を重視するのは、意味があります。
いったい誰が書いているのか?という評価です。
つまり、サイト運営者のプロフィールがより具体的であり、専門性を含むことで信頼性を上げることが重要です。
個人サイトで影響を受けた事例
2024年3月のコアアップデートで被弾したサイトが今回のコアアップデートで回復した事例を紹介します。
被弾したサイトに1年間かけて対処したポイントは以下の3点です。
- サイト運営者のプロフィールを具体的にリライトした
- 専門性を追求したコンテンツに切替えた
- 各記事に独自の体験談を追記した
その結果、次のような回復が見られました。
- 個人ブログでも企業サイトと肩を並べることができた
- 独自の見解、体験記事の評価は高くなり検索ランキングがアップした
- だれが書いた記事かプロフィールを明確にした結果、評価が上がった
- 上位になった記事では、サイトリンクが表示されるようになった
サイトリンクは以下の様な表示です。

では、どのようにサイトが回復傾向になったのか3つの事例を紹介します。
サイトA アウトドア系特化

2024年3月に被弾したアウトドア系特化ブログですが、今回のコアアップデートで回復傾向が見て取れます。
アクセスが90%減少したサイトですが、微々たる変化が発生しています。主に体験談やDIY記事が上位に上がってきました。
サイトB 雑記系

雑記系なのですが、2024年3月前と比較するとやはり90%アクセスが減少したサイトです。
今回、全体では微々たる回復に見えますが、専門的なコンテンツの記事は、一気に上位へランクアップされる傾向が続いています。
サイトC シニア系特化

シニア系の特化ブログも2024年3月にコアアップデートの影響を受けました。今回は回復が見られています。
やはり、特化コンテンツは評価を受けていてランキングがのびています。20位~30位アップした記事もあり、その特徴は体験談でした。
1日に数件まで減少したアクセスが、伸びていることが分かります。

一般的な内容でまとめた記事は、大きな変化は見られませんでした。
今後の展望

Googleは今後もユーザーエクスペリエンスの向上と高品質コンテンツの促進を継続していく方針を示しています。
AI技術の進歩に伴い、検索アルゴリズムもより洗練され、コンテンツの質をより正確に判断できるようになることが予想されます。
AI統合の加速
AI駆動の回答システムへのさらなる推進により、今後の検索結果ではAI生成の要約や直接回答がより頻繁に表示されるようになると予測されます。
この変化により、従来の検索結果でのクリック率は影響を受ける可能性があり、コンテンツ制作者はAI回答にも対応した戦略を検討する必要があります。
コンテンツ戦略の進化
今後のSEO戦略では、検索結果での上位表示だけでなく、AI要約での引用やフィーチャードスニペットでの表示も重要な指標となります。
構造化データの活用や、質問形式のコンテンツ作成など、新しいアプローチが求められるようになるでしょう。
継続的な品質改善の重要性
Googleのアルゴリズムは継続的に進化していくため、一度の対応で終わるのではなく、常にユーザーニーズの変化に対応した品質改善を続けることが重要です。
定期的なコンテンツ監査と更新、ユーザーフィードバックの活用、最新のSEOトレンドへの対応など、継続的な取り組みが必要不可欠となります。
まとめ
2025年6月30日に開始されたGoogleのコアアップデートは、7月17日に完了し、多くのWebサイトに影響を与えました。
このアップデートは高品質なコンテンツの評価をさらに向上させることを目的とし、ユーザーエクスペリエンスの重視とAI技術の活用推進という明確な方向性を示しています。
今回のアップデートにより、表面的な情報提供ではなく、実際にユーザーの問題解決に貢献する価値のあるコンテンツがより高く評価されるようになりました。
個人ブログや企業サイトを問わず、継続的な品質改善と技術的な最適化が今後の成功の鍵となります。また、AI技術の進歩に伴う検索環境の変化に適応するための戦略的アプローチも重要になっています。
サイト運営者は今回のアップデートの結果を詳細に分析し、ユーザーニーズにより適切に応えるコンテンツ戦略の構築に取り組む必要があります。
Googleの方向性に合わせた持続的な改善により、長期的な検索パフォーマンスの向上を実現することが可能になるでしょう。
【関連記事】