近年AIが進化する中でよく聞く言葉の一つに「LLM」があります。
日本語では「大規模言語モデル」と呼ばれていますが、これは一体どういうものなのでしょうか?
そこで今回は、LLMの特徴と機能について初心者でも分かりやすいように解説します。
また生成AIとの違いについても特徴の違いを分かりやすく説明します。
AI技術は日々進化しているので、使われる専門用語も馴染みのないものもあります。
難しい専門用語については、記事の中でわかりやすく説明します。
AIの急速な発展
近年、生成AIは急速に発展しています。
それに伴い、聴きなれない大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)が注目を集めています。
事例として知っているのは、ChatGPTをはじめとする様々なLLMが開発されていることでしょう。
LLMは、私たちの生活やビジネスに大きな変化をもたらしています。
本記事では、最新のLLMの特徴と機能について詳しく解説していきます。
LLMとは何か?
LLM( Large Language Model)は、大量のテキストデータを学習し、人間と自然な対話をしたり、文章を生成したりすることができる言語モデルでAIの一つです。
深層学習の技術(ディープラーニング技術)を用いて、文脈を理解し、それに応じた適切な回答を生成します。
自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)と呼ばれる分野における革新的な技術です。
優れている点は以下の3つあります。
- 計算量:コンピューターが処理する仕事量
- データ量:入力された情報量
- パラメータ数:ディープラーニング技術の係数
これらの3つの要素が進化した結果、高度な自然言語を理解するAIを実現した言語モデルと言えます。
言語モデルとは?
言語モデルとは、言葉や文章に使われる単語の出現確率をモデル化する技術です。
人間が話したり書いたりする「言葉」や「文章」が元になっています。
つまり、大量のテキストデータをAIが学習することで、ある単語の次に続く単語が、どのくらいの確率で出現するのかを予測します。
例えば、「明日の天気は」の後に続く単語として「晴れです」「曇りです」「雨です」は高い確率で出現すると判断します。一方で「北海道」「関東」「九州」は出現確率が低いと判断します。
これらを学習しながら言語をモデル化します。
このように言語モデルは、単語の出現確率を統計的に分析して、人間の言語を理解したり予測することができるようになります。
言語モデルは今後もさらに進化し、人間が普通に話す言葉を理解するでしょう。
最新LLMの特徴
最新のLLMはどのような特徴を持っているのでしょうか説明します。
最新のLLMは、従来のモデルと比較して、以下の特徴を持っています。
- 高度な文脈理解能力
- 多様なタスクへの対応
- 創造性
- マルチモーダル
高度な文脈理解能力をもっています。
つまり、より複雑な文脈やニュアンスを理解し、それに応じた適切な回答を生成できるようになりました。
多様なタスクへの対応が可能です。
例えば、文書生成、翻訳、要約、質問応答など、幅広い自然言語処理タスクに対応できるようになっています。
創造性が高度になっています。
従来のモデルでは難しかった、オリジナルの文章や詩などを生成できるようになりました。
マルチモーダルが進んでいます。
その結果、テキストだけでなく、画像や音声などの多様なデータを処理できるモデルも登場しています。
マルチモーダルとは、テキスト・画像・音声・動画など複数の種類のデータを一度に処理できるAIの技術のことです。
最新LLMの機能
最新のLLMは、以下のような機能を提供しています。
1. 文書生成
- 文章作成: 様々なスタイルやトーンで文章を作成できます。
- コード生成: プログラムコードを生成できます。
- 翻訳: 多言語間の翻訳を高い精度で行えます。
- 要約: 長文を要約できます。
2. 対話
- 自然な対話: 人間と自然な対話を交わすことができます。
- 質問応答: 幅広い知識に基づいて、質問に答えられます。
- 特定分野の専門家: 特定の分野に関する専門知識を持つモデルも開発されています。
3. その他
- 感情分析: テキストから感情を分析できます。
- 文章の校正: 文法ミスや誤字脱字を修正できます。
- クリエイティブな文章生成: 詩、小説、脚本などを生成できます。
生成AIとLLMの違い
生成AIとLLMはどのように違うのか説明します。
生成AIとllmはどちらも人工知能AIの一つですが、しかし異なる特徴を持っています。
生成AIとは、テキストや画像さらには音声などのデータを自動的に生成するAI技術のことです。
一方、LLMは自然言語処理のに特化したAIで生成AIの一つです。
膨大なテキストデータを学習することで、高度な言語を理解する特化した機能を持っています。
代表的なLLMの比較
近年、大規模言語モデル(LLM)が急速に発展し、私たちの生活に大きな影響を与えています。
その中でも特に、GPT-4、Bard、LaMDAは注目されているモデルです。
それぞれのモデルがどのような特徴を持ち、どのような点で優れているのか、比較してみましょう。
1. GPT-4 (Generative Pre-trained Transformer 4)
- 開発元: OpenAI
- 特徴:
- 多岐にわたる能力: 文書生成、翻訳、コード生成など、幅広いタスクを高い精度でこなす。
- 高度な推論能力: 複雑な問題を解いたり、抽象的な概念を理解したりできる。
- 画像認識: テキストだけでなく、画像を入力として処理し、画像に関する質問に答えたり、画像の説明を生成したりできる。
- 強み:
- 汎用性: 様々なタスクに適用できる汎用性の高さ。
- 大規模データ学習: 膨大なデータで学習しているため、高度なタスクに対応できる。
- 弱み:
- 計算コスト: 大規模モデルであるため、動作させるには高性能なハードウェアが必要。
2. Bard (Google AI)
- 開発元: Google
- 特徴:
- 最新情報へのアクセス: Google検索と連携し、最新の情報を元に回答を生成できる。
- 多様な表現: 多様な表現で文章を生成できる。
- コード生成: プログラムコードを生成できる。
- 強み:
- 最新情報: 最新の情報を反映した回答が得られる。
- Googleサービスとの連携: Googleの他のサービスとの連携がスムーズに行える。
- 弱み:
- ハルシネーション: 事実に反する情報を生成してしまうことがある。
3. LaMDA (Language Model for Dialogue Applications)
- 開発元: Google
- 特徴:
- 対話に特化: 対話に特化しており、人間と自然なやり取りができる。
- 感情の理解: ユーザーの感情を理解し、それに応じた回答を生成できる。
- 強み:
- 対話能力: 対話モデルとして非常に高い性能を持つ。
- 弱み:
- 汎用性: 対話に特化しているため、他のタスクへの応用は限定的。
各モデルの比較表
特徴 | GPT-4 | Bard | LaMDA |
---|---|---|---|
開発元 | OpenAI | ||
強み | 汎用性、高度な推論能力 | 最新情報へのアクセス、多様な表現 | 対話能力 |
弱み | 計算コスト | ハルシネーション | 汎用性の低さ |
特筆すべき点 | 画像認識、多様なタスク対応 | Google検索との連携 | 対話に特化 |
GPT-4、Bard、LaMDAは、それぞれ異なる特徴と強みを持っています。
- GPT-4: 汎用性の高さ、高度な推論能力が魅力。
- Bard: 最新の情報に基づいた回答が得られ、Googleサービスとの連携がスムーズ。
- LaMDA: 対話に特化しており、人間との自然なやり取りが可能。
どのモデルを選ぶかは、利用目的や求める性能によって異なります。
例えば、幅広いタスクをこなしたい場合はGPT-4、最新の情報を元に文章を作成したい場合はBard、対話システムを構築したい場合はLaMDAが適していると言えるでしょう。
最新LLMの活用事例
最新のLLMは、様々な分野で活用されています。
- カスタマーサポート: チャットボットとして、顧客からの問い合わせに対応します。
- コンテンツ作成: 記事、ブログ、広告などのコンテンツを作成します。
- 教育: 学習教材の作成や、学生の学習を支援します。
- 医療: 医療情報の検索や、患者とのコミュニケーションを支援します。
最新LLMの課題と今後の展望
最新のLLMは、非常に強力なツールですが、いくつかの課題も存在します。
- 偏った学習データ: 学習データに偏りがあると、生成される文章にも偏りが生じることがあります。
- プライバシー問題: 個人情報を含むデータが学習に使われる場合、プライバシー侵害の懸念があります。
- 誤情報の拡散: 事実に基づかない情報が生成される可能性があります。
今後の展望としては、以下の点が期待されています。
- より高度な文脈理解: より複雑な文脈を理解し、より人間らしい対話ができるようになる。
- 多言語対応の強化: より多くの言語に対応し、グローバルなコミュニケーションを促進する。
- 倫理的な開発: 偏見や差別を助長しないような、倫理的な開発が求められる。
マルチモーダルAI「Gemini」を使ってみた感想
最新のLLMモデルで、様々なAIを使ったマルチモーダル「Gemin」を使ってみました。
従来のAIでは、問いに対してテキストベースで回答していました。
ところが、Geminは、会話するようにやりたいことを話しかけると、画像、あるいは表なども含め作成してくれます。
以下の画像は生成AI「Gemin」に自然言語で指示して作成したものです。
その時に指示したのは「近未来のパソコンのイメージ画像を作ってほしい」という内容だけです。
つまり、テキストだけではなく、様々なコンテンツに対してもLLMは会話するように自然言語を理解してくれる優れものです。
音声入力と合わせて利用すると、まるでスタッフが隣でサポートしてくれる感じです。
ちなみには「Gemin」はGoogleが開発した最新の生成AIです。
最新のLLMを使っているため、自然言語で利用できるのが便利です。
まとめ
最新のLLMは、自然言語処理の分野において、飛躍的な進歩を遂げています。高度な文脈理解能力や多様なタスクへの対応など、その能力は日々向上しています。
しかし、倫理的な問題や誤情報の拡散など、解決すべき課題も残されています。
今後の研究開発によって、LLMはさらに進化し、私たちの生活を大きく変えていくことが期待されます。